江戸時代の彦根に異星人来襲で2020東京五輪!?「キョムノヒガン」コミックDAYSで連載開始

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江戸時代、突如キリングマシーンの大群が現れ、民は蹂躙された。しかし敢然と立ち向かう一人の女と一匹の犬がいた。圧倒的な武力と理不尽を前にして、人間たちに勝機はあるのか!?
キョムノヒガン

プレスリリースより

寛永十四年(1637)、江戸時代前期の彦根が天魔と呼ばれる宇宙からの侵略者の巨大円盤と黒い球状のダルマと呼ばれる兵器に襲われるところから物語が始まり、一方的な殺戮を受ける人々をイチという名の高い戦闘力を持った少女としゃべる相棒の犬クロによって撃退され、命を救われた三太によって巨大な円盤に制圧された彦根城下に案内されるという一話でした。

十七世紀江戸時代の彦根の人々には圧倒的にみえる侵略者たちですが、主人公チームにとっては撃退しうる対抗手段があるようで、斬撃一太刀でダルマを屠っていました。クールで圧倒的な攻撃力を持つ眼帯戦闘美少女、冷静な相棒のしゃべる犬、一生懸命な少年という組み合わせはなかなか面白い関係性を作り出しそうです。そして、最後に明かされた「2020年東京オリンピックの二の舞」とはどういうことなのか、タイムトラベルあるいはループものの予感もさせつつ、今後の展開が楽しみです。

舞台の寛永十四年(1637)は徳川家光の治世、有名な島原の乱がおきた年です。彦根藩主は井伊直孝ですね。井伊直孝は家光の信頼厚く大政参与として幕政の中核を担っていました。当時の幕閣には島原の乱を鎮圧した知恵伊豆松平信綱もいますし、おそらくこの頃から由比正雪事件明暦の大火前後にかけての時期が江戸時代随一の有能な幕閣でした。チーム家光が圧倒的な宇宙人の襲来にどう立ち向かうのか、などと妄想したくなりますが、果たして彼らの出番はあるのか。そもそもなぜ彦根なのか。島原の乱と同じ年としうことで天草四郎などとお話がリンクする可能性もあるのでしょうか。

ところで細かい部分ですがセリフの「天魔の拙攻はまだまだ降りてくる」という部分は「拙攻」ではなく「斥候」の誤記かなと思いました。

キョムノヒガン

また、ここは「平民」よりは「平人」の方が江戸時代っぽさが出て良いかなと思います。「平民」は明治に入って四民平等とした際に華族・士族を除く人々をまとめた言い方で、江戸時代では武士に対して賤民層を除く町人・百姓をまとめて「平人」と呼称していました。シチュエーション的には彦根城下からの避難民を指しているので「町人」でもいいのかと思いましたが、戦場は郊外で避難民には近隣の村牟田から逃げてきた百姓身分も混じっているでしょうし、まぁ、こういう状況になれば百姓は平地を走り回らず伝統的な逃散手段を取って山に逃げているでしょうけれども、まとめて「平人」とするのがよさそうです。

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ところで、直孝は後に由比正雪の乱後の牢人問題が幕閣で議論になった際、江戸からの牢人追放策に反対して、正雪の事件に過剰反応して牢人を困窮させたことになったら後世の笑いものだと語った人物なので、このテンパってるお侍さん、「天変地異」に過剰反応して避難民を追い詰めてしまっているの、あとで井伊直孝にすごい怒られそうです。かわいそう。

さて、次回第二話「破裂童子(前編)」は9月30日公開予定とのことで、これからどうなろのでしょうか。

Kousyou

「Call of History ー歴史の呼び声ー」管理者。個人ブログはKousyoublog。英独仏関係史、欧州中世史、近世日本社会史、鎌倉幕府史などに興味があります。

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