Fate/Grand Orderのサーヴァントを時代別に分類しました。歴史上の人物および神話伝承文学等歴史上形作られた創作に由来するサーヴァントのみで、オリジナルサーヴァントは除きます。
ヨーロッパ、世界史、日本史でそれぞれ実在人物、神話伝承物語等架空の人物とに分けています。実在人物は生年準拠で、生年不明で没年がわかっている場合は没年準拠、生没年不明な場合は活動時期(君主であれば在位期間)に基づいています。実装済サーヴァントのみの表でイラストだけ公開されているサーヴァントは含んでいませんが今後追記するかもしれません。
また、架空の人物については作中の舞台が明らかなものについてはその作中の時代に準拠し、そうでないものは成立の時代に配しています。(例、12世紀~16世紀にかけて成立した6世紀のブリテン島が舞台の円卓・聖杯伝説関連人物は6世紀ヨーロッパに、9~14世紀にかけて成立した作中の時代背景が未確定な北欧伝説は9世紀ヨーロッパに置きました。)ただし、ギリシア神話、インド神話、中国神話、ゾロアスター/イラン神話、メソポタミア神話についてはそれぞれ成立時期が違いますがまとめて古代神話という分類にしています。
その他詳細は脚注で別途まとめています。
時代別Fate/Grand Orderのサーヴァント一覧
年代 | ヨーロッパ史 (実在) | ヨーロッパ史 (架空) | 世界史 (実在) | 世界史 (架空) | 日本史 (実在) | 日本史 (架空) |
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古代神話 (24体) | ギリシア神話 (前2000年~前8cにかけ成立) アキレウス アステリオス アタランテ エウリュアレ オリオン キルケー ケイローン ゴルゴーン ステンノ ヘクトール ヘラクレス ペンテシレイア メディア メドゥーサ | インド神話(前1500頃~後4c) アルジュナ カルナ パールヴァティー ラーマ中国神話 哪吒 ゾロアスター/イラン神話 メソポタミア神話 | ||||
前3000年~ 前2000年代 (3体) | 『ギルガメッシュ叙事詩』 (前2000年頃成立) ギルガメッシュ エルキドゥ (前2600年頃が舞台)(※1)ニトクリス (前2200頃?) | |||||
前2000年~ 前1000年代 (4体) | オジマンディアス(ラムセス2世) (在位:前1279~前1213)(※2) ダビデ(※3) (在位:前1000頃~前961頃) ソロモン(※3) (在位:前971頃~前931頃) | シバの女王 (旧約聖書、ソロモン王を訪問) | ||||
前九世紀 (1体) | セミラミス (前800頃) | |||||
前八世紀 (1体) | ロムルス (前771~前717) | |||||
前七世紀 (0体) | ||||||
前六世紀 (0体) | ||||||
前五世紀 (1体) | レオニダス一世 (?~前480) | |||||
前四世紀 (2体) | ダレイオス三世 (前380~前330) イスカンダル/アレキサンダー (前356~前323) | |||||
前三世紀 (4体) | 始皇帝 (前259~前210) 荊軻 (?~前227) 虞美人 (?~202?) 項羽 (前232~前202) | |||||
前二世紀 (0体) | ||||||
前一世紀 (3体) | ガイウス・ユリウス・カエサル (前100~前44) スパルタクス (?~前71) | クレオパトラ (前69~前30) | ||||
一世紀 (8体) | カリギュラ (12~41) ネロ・クラウディウス (37~68) ブーディカ (?~60/61) | アルスター物語群 (アイルランド・ケルト神話) クー・フーリン スカサハ 女王メイヴ フェルグス・マック・ロイ (紀元0年頃舞台)マルタ (新約聖書、マリアの姉) | ||||
二世紀 (3体) | 呂布奉先 (?~199) 赤兎馬 (192頃~220頃登場)(※4) 諸葛孔明 (181~234) | |||||
三世紀 (0名) | ||||||
四世紀 (3体) | フィアナ物語群 (アイルランド・ケルト神話) フィン・マックール ディルムッド・オディナ (西暦300年頃舞台)ゲオルギウス (11~14c広がる/303年死?)(※5) | |||||
五世紀 (1体) | アルテラ (406頃~453) | |||||
六世紀 (8体) | 『円卓・聖杯伝説』 (12~16C成立) アルトリア・ペンドラゴン/アーサー王 ガウェイン トリスタン ベディヴィエール マーリン モードレッド ランスロット | 蘭陵王 (541~573) | ||||
七世紀 (5体) | ドイツ叙事詩 (12c~15c成立) ジークフリート ブリュンヒルデ (6~7cが舞台) | 玄奘三蔵 (602~664) 武則天 (624~705) | 『千夜一夜物語』(10~13c成立) シェヘラザード (サーサーン朝(226~651)舞台) | |||
八世紀 (3体) | シャルルマーニュ物語群 (12~16c成立) アストルフォ ブラダマンテ (8c後~9c初が舞台) | 鈴鹿御前 (12~15c成立、坂上田村麻呂伝説) | ||||
九世紀 (5体) | エイリーク・ブラッドアクス (885頃~954) | ベオウルフ (8~9c成立)北欧神話 (9c~14c成立) シグルド スカディ ワルキューレ | ||||
十世紀 (7体) | 俵藤太(藤原秀郷) (916~940頃活動) 源頼光 (948~1021) 坂田金時(※3) (956~1012) 紫式部 (970/978~1019) | 清姫 (12c頃?成立/928年設定) 酒呑童子 茨木童子 (14c頃成立/995年設定) | ||||
十一世紀 (1体) | アヴィケブロン (1021/22~1070頃) | |||||
十二世紀 (7体) | ロビンフッド (14c成立/12c後半舞台) | ハサン・サッバーフ (?~1124) | 『水滸伝』(12~15c成立) 燕青 | 牛若丸(源義経) (1159~1189) 巴御前(※3) (1181~84活動) 武蔵坊弁慶 (?~1189) | 玉藻の前 (鳥羽院時代(12c前半)設定) | |
十三世紀 (0体) | ||||||
十四世紀 (0体) | ||||||
十五世紀 (8体) | ジル・ド・レェ (1404末/05初~1440) ジャンヌ・ダルク (1412~1431) ヴラド三世 (1431~1476) クリストファー・コロンブス (1451~1506) レオナルド・ダ・ヴィンチ (1452~1519) ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス (1493~1541) | アステカ文明(15c) ジャガーマン ケツァル・コアトル | ||||
十六世紀 (14体) | フランシス・ドレイク (1543頃~1596) エリザベート=バートリー (1560~1614) ウィリアム・シェイクスピア (1564~1616) | ファウスト伝説 (16-17成立、19c初ゲーテ著) メフィストフェレス | イヴァン雷帝 (1530~1584) 秦良玉 (1574~1648) | 織田信長 (1534~1582) 茶々 (1567/69~1615) 柳生但馬守宗矩 (1571~1646) 宮本武蔵 (1584頃~1645) 宝蔵院胤舜 (1589~1648) 風魔小太郎(※3) (1540年代~16c末活動) | 望月千代女 (1550~60頃?) 加藤段蔵 (16末~17c成立) | |
十七世紀 (8体) | エドワード・ティーチ (1680?~1718) メアリ・リード (1685頃~1721) アン・ボニー (1700?~1782?) | ゲーティア(ゴエティア)(※6) (17c、魔術書『レメゲトン』章題) | アビゲイル・ウィリアムズ (1680~1697?) | 佐々木小次郎(※3) (?~1612) 天草四郎 (?~1638) | 刑部姫 (17~18c成立) | |
十八世紀 (10体) | シュヴァリエ・デオン (1728~1810) シャルル=アンリ・サンソン (1739~1806) アントニオ・サリエリ (1750~1825) マリー・アントワネット (1755~1793) ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756~1791) ナポレオン (1769~1821) チャールズ・バベッジ (1791~1871) | ナーサリー・ライム (18c成立『マザー・グース』) | 葛飾北斎 (1760~1849) | 舌斬り雀の紅閻魔 (※7) | ||
十九世紀 (23体) | ハンス・クリスチャン・アンデルセン (1805~1875) ナイチンゲール (1820~1910) エレナ・ブラヴァツキー (1831~1891) マタ・ハリ (1876~1917) ジャック・ザ・リッパー (1888年活動) | フランケンシュタイン (『フランケンシュタイン』1818年) 巌窟王 エドモン・ダンテス (『モンテ・クリスト伯』1844年) カーミラ (『カーミラ』1872年) ヘンリー・ジキル&ハイド (『ジーキル博士とハイド氏』1886年) シャーロック・ホームズ (『緋色の研究』1887年) ジェームズ・モリアーティ (『最後の事件』1893年) | ジェロニモ (1829~1909) トーマス・エジソン (1847~1931) ニコラ・テスラ (1856~1943) ビリー・ザ・キッド (1859~1881) 李書文 (1864~1934) | ヘシアン (『スリーピー・ホロウの伝説』1820) ロボ (『シートン動物記』、1896年) ポール・バニヤン (19c頃?米国で伝承広まる) | 土方歳三 (1835~1869) 坂本龍馬 (1836~1867) 岡田以蔵 (1838~1865) 沖田総司 (1842頃~1868) | |
二十世紀 (2体) | ファントム・オブ・ジ・オペラ (『オペラ座の怪人』1909年) | アナスタシア (1901~1918) |
時代で分けることで新たな関係性が見えてきたりしないでしょうか。たとえばイヴァン雷帝と織田信長、シェイクスピアと茶々はほぼ同世代だったり、ジャンヌ・ダルクが亡くなった年にヴラド三世が生まれていたり(ジャンヌは5月に亡くなりヴラドが11月に生まれています)、サリエリやモーツァルトが音楽を奏でマリー・アントワネットを楽しませているころ、日本では葛飾北斎が狂ったように浮世絵を描き続けていました。あるいはナイチンゲールがクリミア戦争に従軍して医療の重要性に気付き改革に乗り出していたころ、日本では維新の幕があがり、新選組や志士たちが駆け回っていました。
表の脚注
※1)ギルガメッシュはウルク第一王朝(前2750頃~)の三代目の王とされるので、このあたりに。なお、ギルガメッシュという王は実在していた可能性が高いですが、ここでは『ギルガメッシュ叙事詩』という伝承のまとまりとして架空の枠に置いています。
※2)オジマンディアス(ラムセス2世)の即位年には前1304、1290、1279年の三説ありその後67年に渡り統治したという。各国版wikipediaを比較すると前1279~前1213年が多数派で山川世界史小辞典も同様なのでこれに従いましたが、笈川博一著『古代エジプト 失われた世界の解読 (講談社学術文庫)』は前1279年説を「これを取る人は少ない」と退けています。大体紀元前十三世紀頃ということで。
※3)ダビデ、ソロモン、坂田金時、巴御前、風魔小太郎、佐々木小次郎は、実在人物の欄に入れてはいますが、架空の人物である可能性が高い。ダビデ、ソロモンの非実在説はすでに研究者の間では大勢を占めつつあるそうなので(参考、長谷川 修一,小澤 実 編著『歴史学者と読む高校世界史: 教科書記述の舞台裏』第一章)ほどなくして教科書からも消えるのではないかと思われます。佐々木小次郎については大倉隆二著『宮本武蔵 (人物叢書)』など読むと、佐々木小次郎誕生のプロセスが見えてきて面白いです。また、現状、実在が疑問視されている古代エジプト第六王朝の女王ニトリクス、元になった女性はいたがほぼ後世の創作として伝説が形作られたセミラミスも架空の枠としています。
※4)赤兎馬は、董卓死後の192年、呂布が袁紹の元に逃れて張燕を撃破したときに「人中有呂布 馬中有赤兔」と称賛されたというエピソードが初出。ただし三国志演義はもっと遡り呂布が董卓の配下となる前に丁原から離反させるために董卓から送られたという。呂布死後関羽の愛馬となり、220年、関羽死後、食を断って餓死したと言われる。ということで30年以上の活動期間があります。薄々思っていましたが、赤兎馬は複数それも二世代・三世代いたのでは・・・
※5)聖ゲオルギウスの伝説は十一世紀から始まる十字軍ブームとともに盛り上がった。植田重雄『守護聖者 人になれなかった神々 (中公新書)』によれば、モデルとされる人物の伝承として「三〇三年頃、暴虐のローマ皇帝ディオクレティアヌスに仕えていたローマの軍人であったが、ひそかにキリスト教に帰依し、皇帝の迫害に抵抗し、その非を敢然と公言したため、捕えられ、拷問を受け、最後に首を刎ねられ、殉教を遂げたと伝えられる」(34頁)
※6)ゲーティアは17世紀のグリモワール『レメゲトン(Lemegeton Clavicula Salomonis)』の章題「ゴエティア(Goetia)」で、ソロモン72柱の悪魔の召喚方法が書かれている。参考「ゴエティア – Wikipedia」「レメゲトン – Wikipedia」。1640/41年の版などが大英博物館に収蔵されています。
※7)論文・内ケ﨑有里子「江戸期昔話絵本『舌切雀』ものについて――『雀の宿』(隠れ里)の変遷――」および岡田美也子「『舌切り雀』とその周辺――児童文学の素材へのアプローチ――」によると、舌切り雀ものおとぎ話の最も古い例としては享保八年(1703)の赤小本で以後十八世紀に『したきれ雀』『兒噺舌切雀』『大鳥毛庭雀』など多く出されるようになるとのことです。また、宇治拾遺物語などで見られる雀が登場する話は舌切り雀ものの定型に当てはまらないので、ルーツではないようです。
短命・長命ランキング
生没年が確定している実在人物限定で短命・長命ランキングを参考までにまとめ。
順位 | 短命ランキング | 長命ランキング |
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1位 | アナスタシア (1901年6月~1918年7月、17歳1か月) | ナイチンゲール (1820年5月~1910年8月、90歳3か月) |
2位 | ジャンヌ・ダルク (1412年1月~1431年5月、19歳4か月) | 葛飾北斎 (1760年10月~1849年5月、88歳7か月) |
3位 | ビリー・ザ・キッド (1859年11月~1881年7月、21歳8か月) | ニコラ・テスラ (1856年7月~1943年1月、86歳6か月) |
短命ランキングはロシア革命で銃殺、異端審問で処刑、襲撃に遭い射殺と若くして非業の死を遂げた三人でした。アビゲイル・ウィリアムズを当初入れていましたが、いくつかご指摘いただいた通り没年は未確定なので外しています。
北斎は娘の葛飾応為も生没年不詳ながら70歳ぐらいまでは生きていただろうと考えられています。ちなみに生没年未確定なので選外になりましたが、オジマンディアス(ラムセス2世)は90歳以上生きたとのことなので実在人物としてはぶっちぎり一位です。また子供の数も、百人以上(英語版wikipediaにはわざわざラムセス2世の子供の一覧などがあったりしますね「List of children of Ramesses II – Wikipedia」(英語))のオジマンディアスが全実在サーヴァントでぶっちぎり一位です。
空白の三世紀の主なサーヴァント候補
まとめてみると時代や地域結構偏りがあることがわかります。紀元後以降で空白の百年となっている時代は三世紀(西暦201~300年)、十三世紀(西暦1201~1300年)、十四世紀(1301~1400年)。サーヴァント候補としては以下のような人たちでしょうか。
三世紀
三世紀生まれの主な人物としてはカラカラ浴場を建設したローマ皇帝カラカラ帝、エデッサの戦いでローマ帝国を破ったサーサーン朝シャープール1世、シャープール1世に重用されたマニ教の開祖マニ、中国は三国志時代なので多士済々ですが三世紀生まれだと第二・第三世代で姜維や司馬炎、正史三国志の作者陳寿など。日本は丁度その陳寿によって邪馬台国が魏志倭人伝に登場する頃です。
十三世紀
十三世紀はまずヨーロッパは騎士道全盛期。十三世紀生まれの有名人物というと、十字軍の夢を追い求めたフランスの聖王ルイ9世(1214年生)やテンプル騎士団を壊滅させるカペー朝全盛期の端麗王フィリップ4世(1268年生)、ウェールズを征服し内政改革を進めたイングランドの名君エドワード1世(1239年生)、近代科学の先駆者である哲学者ロジャー・ベーコン(1214年生)、スコットランド独立の英雄ウィリアム・ウォレス(1270)とロバート・ザ・ブルース(1274年生)、異端審問官の代表格で映画・小説「薔薇の名前」にも登場するベルナール・ギー(1261/62年生)、ドイツ騎士団との激闘で知られるロシア伝説の英雄アレクサンドル・ネフスキー(1220年生)、シチリアの晩祷事件で地中海帝国建設の夢破れたシャルル・ダンジュー(1227年生)、冒険家マルコ・ポーロ(1254年生)など。
一方大陸ではモンゴル帝国が一挙に拡大して、バトゥ(1207年生)、モンケ(1209年生)、クビライ(1215年生)らモンゴル帝国の拡大を推進したビッグネームが続々登場、十字軍・モンゴル軍を次々撃破してマムルーク朝事実上の建国者となったイスラームの英雄バイバルス(1223年?生)、ラテン帝国を滅ぼしてコンスタンティノープルを奪還しビザンツ帝国を再興したミカエル8世パレオロゴス(1225年生)、南宋滅亡時に最後までモンゴルに抵抗した亡宋の三傑で知られる三人の名将張世傑、陸秀夫、文天祥。
日本ではいよいよ鎌倉幕府が最盛期、得宗専制体制を築いて君臨する北条時宗(1251年生)、元寇で奮戦する竹崎季長(1246年生)をはじめとする武者たち、日蓮や一遍ら鎌倉仏教の僧侶たちも活動を活発化させています。そして十三世紀末期には楠木正成や後醍醐天皇らあの次世代の主人公たちも登場です。
十四世紀
十四世紀は戦乱の時代。
ヨーロッパではまずフランスで百年戦争が勃発、イングランドの戦上手エドワード黒太子(ブラック・プリンス、1330年生)が長弓戦術と騎行でフランスを圧倒。これに対して賢王シャルル5世(1338年生)と名将ベルトラン・デュ・ゲクラン(1320年生)が反撃に出て領地を悉く奪還していきます。百年戦争やイタリアの騒乱で活躍する傭兵隊長ジョン・ホークウッド(1320年生)、1400年からのウェールズ反乱の指導者で後にアヴァロンに迎えられたとすら噂されたウェールズの伝説的英雄オワイン・グランドゥール(1349/59頃生)、後のフス戦争で知られるヤン・フス(1369頃)や火薬兵器戦術の革新者ヤン・ジシュカ(1374年生)も生まれます。またこの頃スイス独立戦争の英雄としてウィリアム・テル伝説が誕生、悪代官に命じられて我が子の頭においたリンゴを射抜いたのは1307年だったとか。黒死病の蔓延で民衆も不満を爆発させ、エティエンヌ・マルセル、ワット・タイラーら民衆反乱の指導者の名も有名です。また「賢者の石」を発見したという錬金術師ニコラ・フラメル(1330年生)も登場。
大陸では世界制覇も目前かとすら思われたモンゴル帝国があえなく瓦解、新興オスマン帝国の四代目雷帝バヤズィト1世(1360年生)が新設ほやほやイェニチェリを率いてニコポリスの戦いでヨーロッパ軍を撃破し、すい星のごとく現れた草原の覇者ティムール(1336年生)と激突、ユーラシアの覇権を争います。中国では元を滅ぼした紅巾の乱の指導者朱元璋(1328年生)が貧農の子から皇帝へと昇りつめて明帝国を建国。三国志演義の作者羅貫中(生没年不詳)なども誕生しています。
日本では鎌倉幕府が滅亡し南北朝の騒乱へと大きく時代が変わりました。鎌倉幕府を滅ぼす悲運の名将新田義貞(1301年生)、室町幕府を開く足利尊氏(1305年生)・直義兄弟、美しき戦争の天才北畠顕家(1318年生)、そして南北朝を統一する足利義満(1358年生)などなどこれまた中世日本史を彩る人物に事欠きません。