発明王エジソンの野望「電流戦争」描く映画”The Current War”予告編

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十九世紀末のアメリカで起こった「電流戦争」を描く歴史映画『ザ・カレント・ウォー”The CUrrent War”(原題)』予告編が公式ツイッターで公開された。

「電流戦争”War of the currents”」とは、1880~90年代のアメリカで、電力供給のシェアを巡り、「発明王」トーマス・エジソン率いるエジソン・エレクトリック・ライト社(現ゼネラル・エレクトリック(GE)社)と、技術者ニコラ・テスラを擁した実業家ジョージ・ウェスティングハウス率いるユニオン・スイッチ・アンド・シグナル社との間で勃発した企業間競争のことで、次第に手段を択ばぬ闘争へと発展した。

1870年代までアメリカの街灯はガス灯が中心だったが、1880年代に入って、これが白熱灯へと移行していく過程で、エジソンは直流送電システムを推進して独占的シェアを獲得する。これに対してジョージ・ウェスティングハウスは安価に遠くまで安全に届けることが出来る交流送電システムの開発に成功、かつてエジソン研究所に所属していたニコラ・テスラを迎え入れて、一気にシェアを拡大していく。ウェスティングハウス社の技術的優位性は明らかで、劣勢に立たれたエジソンが起死回生の策として思い付いたのが、死刑囚に対する人道的な処刑方法として注目を集めつつあった電気椅子の導入に向けたロビイングだった。歴史上、「電流戦争」と電気椅子の実用化は密接にかかわっている。

この「電流戦争」から「電気椅子」の導入へと至る歴史的経緯はリチャード・モラン著『処刑電流 エジソン、電流戦争と電気椅子の発明』に詳しいので、映画に備えて一読するのをおすすめしたい。

"The Current War"

“The Current War”
© 101 studios

トーマス・エジソン役にベネディクト・カンバーバッチ、エジソン最大のライヴァルとなるジョージ・ウェスティングハウス役にマイケル・シャノン、天才的な技術者ニコラ・テスラにニコラス・ホルト、エジソンの秘書サミュエル・インサル役にトム・ホランド、死刑囚ウィリアム・ケムラー役にコナー・マクニール、投資家ジョン・モルガン役にマシュー・マクファディンなどがキャスティングされている。

当初、2017年に公開予定だったが、製作プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインのセクシャル・ハラスメント事件が明るみに出たことでクレジットから削除され、公開も無期延期となっていた。その後映画の権利が101 Studios社に売却され、あらためて劇場公開されることになった。

英国で2019年7月26日、アメリカで2019年10月4日から公開される。日本公開は2020年の予定。

"The Current War"

“The Current War”
© 101 studios

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