19世紀北ウェールズ・スノードニアを舞台にしたゴシックホラー”Gwen”予告編

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“Gwen”(原題)は、1855年の北ウェールズ地方スノードニアの山間の村を舞台にしたゴシック・ホラー作品だ。主人公の少女グウェンは母と妹の三人家族だが、母親のミステリアスな病気、戦争で不在の父、無慈悲な鉱山会社の進出など、彼女の家は闇に包まれ・・・というストーリーとなっている。

批評家たちの評価も高く、The Guardian誌は「ゴシックドラマと社会的リアリズムの不気味なハイブリッド」「女性の抑圧と貧しい人々の苦闘についての物語」「ケン・ローチのような社会的リアリズムではなく、激しい憤りを感じる映画だ」と評している。

"Gwen"

“Gwen”
© Endor Productions / William McGregor


伝統的なウェールズの衣装や宗教文化、産業革命時代のウェールズの沈滞した雰囲気などが予告編からもうかがえる。暗く、陰鬱で、かつ各所にウェールズらしい雰囲気があり、特に衣装や風景が実に綺麗だ。スノードニアの山岳地帯は現在国立公園として整備されており、ウェールズ地方の代表的な観光地である。中世ウェールズ最後の大公サウェリン・アプ・グリフィズに縁が深い地としても知られる。

1855年というと、父親はクリミア戦争に出征しているのだろう。十九世紀半ばのウェールズはブリテン島における英国の周縁として差別的な扱いを受けており、また産業革命の進展はウェールズの伝統的な手工業を破壊して経済的にも多くの失業者を出していた。そのような背景を踏まえると、よりこの世界観に浸れそうな雰囲気である。

監督・脚本を務めたウィリアム・マクレガー氏のデビュー作となる。また、主人公グウェンを演じたエレノア・ワージントン・コックスは本作でトロント国際映画祭のライジングスター賞を受賞した。

英国では2019年7月19日より公開される。日本公開は未定。

"Gwen"

“Gwen”
© Endor Productions / William McGregor

Gwen review – chilling mystery-horror down on the farm
MaxinePeakeplaysawomanwhosepropertyinthewildsof19th-centuryWalesisthreatenedbyapredatorymineowner
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