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イングランド最古の石造教会の可能性がある7世紀前半「七王国時代」の遺構が発見

イングランド最古の石造教会の可能性がある遺構がケント州フォークストン近郊ライミングで発見された。

発見されたのは七王国時代のケント王エゼルベルト(616頃没)の王女でノーサンブリア王エドウィン王(在位:616~632)の妃エゼルベルガによって西暦633年頃に建てられたと思われる石造の教会遺構。

その教会は、わずか50フィート(約15メートル)x15フィート(約4.5メートル)の大きさで、教会堂の礼拝式が行われる場所である内陣と身廊を隔てる独特な三重アーチのデザインを持っている。

レディング大学の調査チームはライミングの聖マリア教会と聖エゼルベルガ教会の敷地の発掘調査を進めていた。発掘を指揮するレディング大学のガボール・トーマス博士によれば、発見された柱の破片は、石材がフランスから輸入されたことを示しているという。使用された卵状石灰岩の最も近い供給源はフランスだが、採石場の位置を示すために更なる分析結果が待たれる。また、石工も同様にフランスから招聘されたようだ。

これらの建築様式から考えて、西暦634年以降、ケントの王女でノーサンブリア王妃であるエゼルベルガによって建てられた教会である可能性が高いという。

ガボール・トーマス博士は、「この遺跡の残存率は私が期待していたよりも高かった」という。今回の発見によって、1850年代に行われた同地の最初の調査で生じた疑問や誤解を解消し、反論を立証することが出来るため、「近代的な考古学技術をこの場所に投入できたことは非常に有益であった」と述べた。

また、教会の庭では同時期七世紀半ば頃の修道院と見られる建造物の外、1090年代に記されたエゼルベルガ王女の墓の特徴と似た構造物や、8~9歳ほどと思われる少年の遺骨も発見されている。ただし、同じ記録にエゼルベルガの遺骨がカンタベリーの教会へ移されたと記されていることから、妃の遺骨が発見される可能性は低い。

この発見は、アングロ・サクソン社会とその最も重要な入植地がキリスト教化によってどのように変化したかについての鮮明な洞察を提供するとレディング大学はリリースで述べた。

この発掘調査は「過去への道:エゼルベルガの遺産を探る” Pathways to the Past: Exploring the legacy of Ethelburga”」という大規模なコミュニティベースのプロジェクトの一環。同プロジェクトのプロジェクト・マネージャーであるロブ・ボールドウィン氏は、「私たちは、このプロジェクトを実現するために、レディング大学と提携したことを喜んでいる。大学がこのように地域に根ざしたプロジェクトと協力するのは珍しいことであり、それは10年以上にわたってガボールと彼のチームが村内の他の場所で非常にうまく働いてきた結果だ。プロジェクトがこれほど順調にスタートしたことは素晴らしいことであり、プロジェクトの目的の一部であるその他のコミュニティの利益を達成できることを楽しみにしている」と説明した。

ブリテン諸島へのキリスト教布教は、アイルランド修道士による北部への布教と、ローマ教会主導での南部からの布教という二つのルートで行われた。597年、ローマ教皇グレゴリウス1世が派遣したベネディクト派修道士アウグスティヌスがケント王エゼルベルト王の改宗に成功し、ブリタニア北部の強国ノーサンブリア王エドウィンとケント王女エゼルベルガの結婚を経て、エゼルベルガが連れて行った修道士たちによってノーサンブリア王国への布教が進み、ノーサンブリア・ルネサンスと称される中世前期ブリテン島におけるキリスト教文化の最盛期へと至ることになった。このような経緯からエゼルベルガ王女はブリテン島へのキリスト教布教に大きな影響を与えた非常に重要な人物の一人である。

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