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4500年前のブリテン島の人々は遺骨を保管して故人を記憶に留めたという研究

「ストックトン・アポン・ティーズの ウィンドミル・フィールズの女性の遺骨」

「ストックトン・アポン・ティーズの ウィンドミル・フィールズの女性の遺骨」
© Tees Archaeology / University of Bristol

青銅器時代のブリテン島の人々は死後すぐには埋葬されず、遺骨がしばらく保管され、中には人骨が楽器として加工されたものもあった。ブリストル大学が調査結果を発表している。

約4500年前、青銅器時代のブリテン島各地から出土した人骨189点を放射性炭素年代測定したところ、遺骨の一部分が死後かなりの時間が経ってから埋葬されていたものが多かったことがわかった。

トーマス・ブース教授は「人々は、生活や文化的な記憶を共に過ごした人、その生涯やコミュニティで重要な役割を果たしていた人、直系家族、仕事相手、友人、あるいは敵であったとしても、明確な関係を持っていた人の遺骨を保管していたようだ」という。調査結果ではおよそ平均して二世代に渡って人骨が保管されていたとみられている。ストックトン・アポン・ティーズの ウィンドミル・フィールズの女性の埋葬には少なくとも3人の頭蓋骨と手足の骨が添えられていた。3人は埋葬された女性よりも60年から170年前に亡くなっていた(上写真参照)。

「人骨の断片は死者と一緒に墓に納められていたが、それらはまた、生きている者の家に保管され、家の床下に埋められ、展示されていることさえあった」と、ブリストル大学の人類学と考古学の客員教授であるジョアンナ・ブリュック教授は述べている。

人間の大腿骨から作られた楽器

「人間の大腿骨から作られた楽器」
© Wiltshire Museum / University of Bristol

ウィルトシャー州のストーンヘンジ近くの墓の副葬品として見つかった男性の大腿部の骨は楽器に加工されていたという。この楽器は、この墓の人物が生前に知っていた人の骨であることが示唆されている。

マイクロCTスキャンを使った調査の結果、これらの骨が青銅器時代の人間の遺体と同様の方法で処理された遺体から来ていることを示唆している。埋葬後に掘り出されたものもあれば火葬されたものもあるし野外で分解されたものもある、このことから、当時、遺体の埋葬方法が確立されていなかったとみられている。

ブリストル大学のリリースによれば、すでに、青銅器時代には土葬や火葬、ミイラ化など様々な葬儀を行っていたというエビデンスもあり、この研究では、遺体が単に葬儀の過程で出会っただけではなく、人骨が定期的に保管され、生者の間で循環していたことが明らかになったという。

「これらの調査結果は、ブリテン島の青銅器時代のコミュニティがどのように記憶と過去を利用して自分たちの社会的アイデンティティを作っていたかについて、何かを教えてくれるかもしれない。今日の聖人の遺物に対する我々の関心とは異なり、彼らはとても古い人間の遺物や先祖の遠い過去にフォーカスせず、むしろ生きている記憶の中にある遺物に関心を持っていたようだ。」とブリストル大学のリリースは述べている。

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ニュースソース

Radiocarbon dating and CT scans reveal Bronze Age tradition of keeping human remains“(University of Bristol,2020年9月1日付記事)
Joanna Bruck, Thomas Booth”Radiocarbon and histo-taphonomic evidence for curation and excarnation of human remains in Bronze Age Britain“(該当の論文)
Bronze Age Britons kept human remains on display in their homes“(CNN,2020年8月31日付記事)

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