江戸時代

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日本近世史

田中勝介~徳川家康の命を受け日本人で初めて太平洋横断した商人

1610年、徳川幕府が成立して間もないころ、徳川家康の命を受け、日本人で初めて太平洋を横断してメキシコへと行き帰ってきた人物がいる。京の商人田中勝介(生没年不詳)である。万延元年(1860年)の咸臨丸による太平洋横断から遡ること丁度250年...
日本近世史

一国一城令とは何か~徳川幕府の城郭統制のはじまり

一国一城令は慶長二十年(1615年)閏六月十三日、諸大名に対して大名の居城以外の城郭の破却を命じた法令。特定の法度として公布されたものではなく老中奉書として個々の大名に宛てて送られ、その対象範囲から西国諸大名に対して命じられたものと考えられ...
日本近世史(書籍)

「関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制 (講談社学術文庫)」笠谷 和比古 著

「関ヶ原の合戦」をめぐる通説も大きく変わってきている。“関ヶ原の合戦における東軍の勝利により、豊臣家は一大名に転落、徳川家康が覇権を確立し、のちの徳川幕府による一元的な支配体制の礎を築いた画期となった戦い”という理解はすでに退けられた。では...
史跡巡り

北鎌倉の「松岡山東慶寺」

北鎌倉の梅の名所として知られる東慶寺です。 東慶寺の歴史と女性保護 東慶寺は正式には松岡山東慶総持禅寺といい、弘安八年(一二八五)、第八代執権北条時宗の妻覚山志道尼...
日本近世史

【江戸時代の身分制度論】士農工商から身分的周縁へ

2016年五月の初頭ごろだったか、Twitterで士農工商という表記が教科書から無くなっているという話が話題になっていた。そう。もう江戸時代の身分制を「士農工商」として表記することは退けられて久しいのだ。少なくとも一九七〇年代初頭に疑問が呈...
日本近世史(書籍)

「春画の色恋 江戸のむつごと『四十八手』の世界」白倉敬彦 著

九月から東京都文京区の永青文庫で開催されている春画展(2015年9月23日~12月23日)が大盛況なのだという。猥褻か芸術かという議論を巻き起こしつつ春画の再評価が進んできて、江戸時代の性文化の多様性を示すものとして一定の地位を確立してきた...
日本近世史

「薩摩島津氏の琉球侵攻」(1609年)まとめ

1609年三月、島津軍が琉球王国に侵攻し奄美大島、徳之島、沖永良部島、そして沖縄本島と次々攻略。琉球王国軍の抵抗むなしく、四月四日、首里城が陥落、尚寧王は降伏し、独立国家琉球王国は、引き続き中国からの冊封体制下にありつつ、徳川幕藩体制の中に...
日本近世史(書籍)

「遠山金四郎の時代」藤田 覚 著

時代劇でお馴染みの「遠山の金さん」、桜吹雪の刺青を彫った遊び人で悪党どもをバッタバッタとなぎ倒して人情味のある判決を下す庶民派お奉行様というキャラクターが確立しているが、まぁ、言うまでもなくこれらは全て創作である。では実際の「遠山の金さん」...
日本近世史(書籍)

「江戸の発禁本 欲望と抑圧の近世」井上 泰至 著

江戸幕府は幕府にとって都合の悪い本を発禁本として絶版にし、売買を禁止した。幕府による出版統制と検閲のシステムはいかにして確立され、発禁本とされた出版物にはどのようなものがあり、幕府の規制の中で近世の出版はどのような影響を受け、いかに発展した...
日本近世史

「明暦の大火(振袖火事)」と復興、江戸の都市改造

明暦三年一月十八日(西暦1657年3月2日)から十九日にかけ三次に渡り連続して発生して江戸の町を焼きつくした大規模火災は明暦の大火と呼ばれて「江戸の三大大火」の一つに数えられている。また、この大火災害からの復興の過程で江戸の町が整備され、後...
日本近世史

由比正雪の乱(慶安の変)と江戸時代前期の牢人問題

徳川家一門松平定政の乱心 慶安四年(1651)四月二十日、三代将軍家光が死に、老中堀田正盛・阿部重次を始め多くの家臣が殉死し、あるいは隠居・出家して一線を退いた。 同七月九日の三河刈谷藩主松平能登守定政・定知親子の出家もその流れかと...
日本近世史(書籍)

「宮本武蔵 (人物叢書)」大倉 隆二 著

メジャーからマイナーまで歴史上の人物の手堅い評伝シリーズで知られる吉川弘文館人物叢書、2015年2月の新刊が宮本武蔵だったので早速読んでみた。 現在、一般的に知られている宮本武蔵像は江戸時代に作られた真偽不明の武蔵の伝記類をベースにし...
日本近世史(書籍)

「江戸の文人サロン―知識人と芸術家たち」揖斐 高 著

十八世紀のヨーロッパ、フランスでは貴族夫人が政治家・知識人・芸術家を招いて自身の邸宅を社交の場と化し、イギリスではコーヒーハウスに知識人・芸術家・文筆家・商人が集まって日々議論を戦わせた。同じ頃の日本でも、江戸大坂京都の三都を始めとした各都...
日本近現代史

幕府代表とペリー艦隊の飲みニケーション全5回まとめ

先日の記事「「居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化」飯野 亮一 著」にいくつか、ペリー艦隊来航時の日本人代表も泥酔していたことを思い出した、といった趣旨のコメントがついていて、そうそうあの酔っぱらいエピソードも面白いんだよね、ということで幕...
日本近世史

江戸の庶民の味「天麩羅(てんぷら)」誕生の歴史

江戸を代表する料理として挙げられるのが「てんぷら」である。「てんぷら」がいつどのように誕生したのか、必ずしも定かではないが、「東京天ぷら料理会 東天会 天ぷらの起源と語源」によれば、「『料理食道記』(1669)の「てんふら 小鳥たたきて鎌倉...
日本近世史(書籍)

「居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化」飯野 亮一 著

幕末に日本を訪れた外国人が驚いたことの一つに、日本人がひどく酒癖が悪いというものがある。例えばヘボン式ローマ字で知られるヘボン(日本在住1859~92)は昼間っから酒を飲んで酔いつぶれ、あるいは大暴れしている人びとの多さに驚き、また酔って仕...
日本近現代史(書籍)

「徳川慶喜 (人物叢書)」家近 良樹 著

江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜の評伝である。近年の幕末史の様々な知見をふんだんに盛り込んで、複雑怪奇、敵味方がくるくると入れ替わる幕末諸勢力の情勢の中に一橋慶喜の行動を位置づけて、彼の事績を描いており、さすが家近氏といったところだ。それほど多...
日本近現代史(書籍)

「幕末日本と対外戦争の危機―下関戦争の舞台裏」保谷 徹 著

幕末、諸外国と修好通商条約が結ばれて一気に開国すると、それに反対する人びとによる外国人排斥運動(攘夷)が盛んになった。過激な攘夷運動の盛り上がりは諸外国を警戒させ、やがて米仏艦隊による長州報復攻撃、英国海軍と薩摩との薩英戦争、さらに英国によ...
日本近現代史(書籍)

「幕末の朝廷―若き孝明帝と鷹司関白」家近 良樹 著

まぁ絶版なので最初は書評書かなくてもいいかと思ったのだが、やはり本書の幕末史における重要度から言っても紹介しておく方が良いかなと。2007年の本なので、たぶんあと五年か十年かしたら中公文庫なり講談社学術文庫なりから再販されるんじゃないかと思...
日本近現代史(書籍)

「江戸幕府崩壊 孝明天皇と『一会桑』」家近 良樹 著

ペリー来航から大政奉還・王政復古・鳥羽伏見に至る江戸幕府解体の過程は長く西南雄藩を中心にしての見方が支配的だったが、1980~90年代以降、幕府朝廷・朝敵諸藩に関する研究が進み、勝者側である薩長中心の王政復古史観に批判が加えられ、より大局的...
日本史

醤油の歴史

古代日本の調味料 奈良時代から平安時代にかけて、貴族たちのあいだで儀式料理として唐の饗応料理の影響を受けた大饗(饗膳)料理とよばれる食事様式が形成されるが、これはたくさんの料理を並べて好みに応じて調味料をつけて食べるもので、使われた調味料は...
日本近世史(書籍)

「江戸の海外情報ネットワーク (歴史文化ライブラリー)」岩下 哲典 著

徳川幕府の支配体制の解体から明治維新へと至るプロセスに「情報」が大きな役割を果たした。特に鎖国下の海外情報は幕府によって管理統制されてその流通は限定的であった。その中で限定的な海外の情報を流通させ活用しようという海外情報ネットワークが自ずと...
日本近現代史

ペリー艦隊の日本人、サム・パッチこと仙太郎の生涯

日本史の画期となった嘉永六年(1853)の黒船来航時、ペリー艦隊の中に水夫として一人の日本人がいた。彼は安芸(現在の広島県)出身の船乗りで、乗っていた船が嵐にあい漂流、米国船に救出された後、志願してペリー艦隊の水夫となった。日本名は諸説ある...
日本近世史

日本で初めて反射望遠鏡を作った鉄砲鍛冶「国友一貫斎」

第一章 江戸の貨幣経済と知識人の台頭、蘭学の登場 十七世紀、戦国乱世の終結による政治的安定は人口増大と経済成長を促した。貨幣経済・商品経済の浸透は競争を喚起し、農民層の分解と格差の拡大、新たな都市富裕層の登場を促す。『俗姓筋目にもかま...
日本近世史(書籍)

「江戸の読書会 会読の思想史」前田 勉 著

読書というのは孤独な営みであり、孤独な愉しみである。そんな読書観は実は新しいものだ。欧州では読書は黙読ではなく音読が主流であり、近世には読書グループが次々と形成されて、それがブルジョワ階級の勃興と対をなしていた。日本ではどうか?江戸時代、漢...
日本近世史(書籍)

「田沼意次―御不審を蒙ること、身に覚えなし」藤田 覚 著

十八世紀後半、江戸幕府の権力を掌握して様々な政策を断行し、通称田沼時代と呼ばれる一時代を築いた老中田沼意次(1719-1788)の評伝である。意次失脚後から現代まで脈々と続く悪徳政治家のイメージや、近年そのイメージへのカウンターとして登場し...
日本近世史(書籍)

「蘭学事始」杉田玄白著

江戸中期の蘭学医杉田玄白(1733-1817)が文化十二(1815)年、83歳でおよそ半世紀前の蘭学草創の頃を振り返って著した自伝である。玄白の丁寧な叙述から一つの学問が誕生する瞬間の瑞々しさが伝わってきて心動かされる。 「蘭学事...
民俗学

なぜお相撲さんといえば「どすこい」なのか?

お相撲さんといえば「どすこい」、「どすこい」といえばお相撲さんというぐらい、イメージが定着した言葉だが、実際には力士は「どすこい」などとは普通言わない。では「どすこい」とは何か?意味は?語源は?というと多くの人は説明に困るのではないか。広辞...
日本近世史

江戸時代農村の遊び日・休日

最近、江戸時代農村の祭礼や休日について興味があって、色々調べているときに図書館で「増補 村の遊び日―自治の源流を探る (人間選書)」という本をみかけ読んでみると面白かったので紹介。元々は1986年に発表された論考で、91年の補論とあわせて2...
日本史(書籍)

「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著

中世・近世を中心に日本において人身売買がいかにして無くならず生き残り続けたか、を通史として浮き彫りにした文字通り「身売り」の日本史の概説本。 古代から中世にかけて、人はものとして売り買いの対象だった。鎌倉・室町時代を通して時の政権も例...
日本近世史

何故、江戸時代の司法制度は「自白」に頼っていたのか?

承前:中世西欧編→何故、中世の司法制度は「自白」に頼っていたのか? 江戸時代の裁判制度について簡単にまとめ。 幕藩体制において三権分立は存在しなかったため、行政府であり立法府である幕府・大名が司法裁判権もまた行使していた。江戸幕府の裁判制度...
日本近世史(書籍)

「武士に『もの言う』百姓たち: 裁判でよむ江戸時代」渡辺 尚志 著

江戸時代の百姓は時に一揆などで爆発することはあっても武士に虐げられ、高率の年貢や身分制度の中でじっと耐え忍んでいた・・・のでは決してなく、むしろ自身の利益を守るために武士たち臆することなく自身の意見を言い、次々と訴訟を起こす、もの言う百姓た...
日本近世史

江戸時代の捨子たち~歴史・社会背景・捨子観の変化・幕府の政策など

1)古代・中世の捨子 捨子の歴史は古い。人類史においていつ捨子が始まったのか定かではないが、各地の神話や伝承にも捨子のエピソードが語られることから、おそらく有史以来、嬰児遺棄の習俗は行われていたと考えられている。エジプト王はイスラエル人に...
日本近世史(書籍)

「刀狩り―武器を封印した民衆」藤木 久志 著

豊臣秀吉の刀狩令、明治政府の廃刀令、第二次大戦後の占領軍による武装解除の三つの「刀狩り」を通して民衆が武器を封印していく過程を描き出す、日本中世民衆史の大家による「刀狩り」概論。とはいえ、論考のほとんどは秀吉の刀狩令と江戸時代の民衆の武装が...
日本近現代史

幕末の金流出は何故ハイパーインフレを起こしたか?

安政五年(一八五八)に締結された日米修好通商条約の結果として、経済面で二つの現象が起きた。第一に日本から海外への大量の金流出、第二にハイパーインフレーションである。常識的に考えれば、国外への金流出は国内の貨幣流通量の減少をもたらすため、貨幣...
日本近現代史

幕末の人口統計「空白の四半世紀」に何故人口は増加に転じたのか?

前回の記事「歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚について」が好評だったので引き続き歴史人口学のネタを。 幕末から明治初期にかけて、人口統計資料が残っていない空白の四半世紀がある。 徳川吉宗によって1721年から6年間隔で行われるようになった...
日本近世史

歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚について

「昔は15、16で嫁入りしていた」 上記のような記事が話題になっているようなので、いくつかの歴史人口学の書籍から江戸時代の結婚と出生に関する定量データを簡単にまとめてみよう。 1)江戸時代の人口トレンド 江戸時代の人口調査を行うときに用いら...
日本近世史

河村瑞賢~近世日本の大海運網を確立させた強欲商人

序章 近世の日本経済史を語る上で必ず画期となされるのが、東廻り海運、西廻り海運という航路の確立である。両航路が開かれたことで「天下の台所」大阪、大消費都市江戸の繁栄を支える大物流網が整備されることになり、江戸経済繁栄の礎となった。 ...
日本近世史(書籍)

「殉死の構造」山本 博文 著

江戸時代初期、武士たちの間で主君の死に殉じて家臣が切腹して果てる「追腹」とよばれる自殺行為が多く見られるようになった。一般的に殉死は忠義の心から出るものと認識されているが、著者は史料を丁寧に読み解いていくことで「追腹」が忠誠心によるものでは...
日本近世史

江戸時代の公害、環境破壊と人口停滞

江戸時代はよく、エコでサスティナブルな社会システムが整備されていたという例として語られるが、一方で急激な経済発展の代償として環境破壊と公害が顕在化しはじめた時代でもあった。 1)江戸時代の環境破壊 安土桃山時代から江戸時代前期にかけては全...
日本近世史

会津藩家老田中玄宰の改革

大河ドラマ「八重の桜」で登場する藩校「日新館」や「什の掟」、「追鳥狩」に長沼流軍学ほか、様々な役職・制度は遡ると一八世紀後半から一九世紀初頭の会津松平家五代容頌(かたのぶ)の下で辣腕を振るった家老田中玄宰(たなか・はるなか:一七四八~一八〇...
日本近世史

江戸幕府を震撼させた国書偽造スキャンダル「柳川一件」の顛末

江戸時代初頭、対朝鮮外交を担っていた対馬藩では李氏朝鮮と徳川政権との間の外交文書「国書」の偽造が慢性的に行われていた。それは幕府にも朝鮮王朝にも秘密裏に行われていたが、ある日、対馬藩家老柳川調興(やながわ・しげおき)によって暴露され、政権中...
日本近世史

日本史上形骸化を繰り返す監察制度と将軍の隠密「御庭番」の活躍

興味深いことに、律令制から徳川政権に至る日本の歴代中央政権に共通する特徴の一つに、“監察制度の運用が上手くできない”という点がある。官吏や地方政権の不正を監視する制度を整えようとしても、ことごとく形骸化してしまうのだ。 1)中国・朝...
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