歴史書籍

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世界史(書籍)

「ギリシャ・ローマの戦争 (〈1冊でわかる〉シリーズ)」ハリー・サイドボトム 著

岩波の定番、一冊でわかるシリーズの一つだが、実はタイトルに反して古代ギリシャ・ローマの戦争は一冊でわからない。むしろ、この本を読む前に古代ギリシャ・ローマの戦争についての一般的な解説書(例えば「戦争の世界史」「ヨーロッパ史における戦争」あた...
アジア史(書籍)

「古代オリエントの宗教」青木 健 著

タイトルからだとキリスト教以前の古代オリエントの諸宗教についての解説と思うかもしれないが、そうではなく、古代オリエントの諸宗教が二~三世紀以降のキリスト教の拡大に対して、聖書ストーリーの受容とアナザーストーリー・サブストーリーの展開という切...
アフリカ史(書籍)

「パピルス―偉大なる発明、その製造から使用法まで」

古代エジプト新王国時代ラムセス王朝(B.C.1185頃 – B.C.1070頃)のパピルスの巻物(大英博物館古代エジプト部門収蔵BM EA 9994)に、書くことの喜びを心の底から著したこのような記述があるという。 『一日書き...
ヨーロッパ史(書籍)

「生き残った帝国ビザンティン」井上 浩一 著

西ローマ帝国滅亡後も一千年の長きに渡ってローマ帝国の命脈を保った東ローマ帝国(ビザンティン帝国)はなぜ生き残ることができたのか。著者はローマという理念の墨守と、その伝統の墨守を建前としつつ、現実の諸問題には至極柔軟に対応し、徹底的に生き残り...
ヨーロッパ史(書籍)

「ロシア・ロマノフ王朝の大地 (興亡の世界史)」土肥 恒之 著

ロマノフ朝ロシア帝国300年の歴史を、『宮廷の動きだけを追った「王朝史」ではなく、皇帝たちの動きを一般の社会と民衆とのかかわりのなかで考える』(P348)社会史的視点からの非常によくまとまった帝政ロシア史の一冊。 ロシアは最初からその...
ヨーロッパ史(書籍)

「ドキュメント 戦争広告代理店」高木 徹 著

通常、PR企業は民間企業をクライアントとする。しかし、米国の大手PR企業ルーダー・フィン社の国際政治部長ジェームズ(ジム)・ハーフが得意としたのは、外国の政府をクライアントとして国際政治の舞台でその国の利益を最大化する国家PR戦略だった。そ...
アジア史(書籍)

「イスラームの『英雄』サラディン 十字軍と戦った男」佐藤次高著

十二世紀後半、十字軍の侵攻を食い止め、かつ寛容で高潔な振る舞いからイスラーム世界だけでなく欧州からも英雄視されるアイユーブ朝の創始者サラディンに関する、イスラーム史の第一人者による伝記。イスラーム世界にとっては西欧を撃退した比類ない英雄とし...
アジア史(書籍)

「道教の世界――宇宙の仕組みと不老不死」ヴァンサン・ゴーセール&カロリーヌ・ジス 著

道教というと非常に漠然と――いや「茫洋とした」という方がよりしっくりくるか――した印象を受ける宗教だが、この本はその道教の歴史・文化・思想について図表や写真をふんだんに使ってコンパクトにまとめた道教の世界観についての入門書である。道教につい...
アメリカ史(書籍)

「ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在」鎌田 遵 著

まず呼称について、「インディアン」とは周知の通り1492年にコロンブスが「新」大陸を「発見」したときにカリブ海のサンサルバドル島をインドと勘違いして呼び始めた呼称で、以後新大陸の先住民をインディオ、インディアンなどと呼ぶようになった。これに...
ヨーロッパ史(書籍)

「犯罪と刑罰」チェザーレ・ベッカリーア 著

イタリア・ミラノの法律家チェザーレ・ベッカリーア(1738-1794)が1764年に著した「犯罪と刑罰」は法制史において近代刑事司法思想の先駆として位置づけられることが多い。それは第一に、19世紀に「罪刑法定主義」として整理される元となる思...
アメリカ史(書籍)

「憲法で読むアメリカ史」阿川 尚之 著

アメリカ政治を語る上で欠かせないのが司法の動向である。違憲立法審査が形骸化し、せいぜい刑事事件でしか馴染みがない日本の裁判からは想像できないことだろうが、アメリカでは多種多様な法律について訴訟が提起され最高裁判所が違憲・合憲の判断を行い、そ...
アメリカ史(書籍)

「ザ・フェデラリスト」A.ハミルトン J.ジェイ J.マディソン 著

八年に渡る独立戦争に勝利して独立を勝ち取った北米十三植民地は、独立当初はそれぞれ主権を持つ邦(state)が集まった連合(The United States)という体裁で進もうとしたが、すぐに邦同士で通商や外交、戦費負担、紛争解決の主導権を...
アジア史(書籍)

「モンゴル帝国と長いその後 (興亡の世界史)」杉山 正明 著

1206年、騎馬遊牧民の小集団の部族長であったテムジンはモンゴル高原の騎馬遊牧民を統合してチンギス・カンと名乗り、東西に文字通り怒涛の進軍を開始。その子、孫に至るまでのおよそ半世紀をかけて次々と周辺諸国を併呑し、ユーラシア大陸の大半を版図と...
ヨーロッパ史(書籍)

「革命的群衆」ジョルジュ・ルフェーブル 著

フランス革命は民衆の行動によって王政が倒れた革命となったが、では、その民衆はいかにして革命を成し遂げる主体として行動するようになったのか。 このフランス革命を巡る民衆の研究から、社会学者ギュスターヴ・ル・ボンは「群衆心理 (講談社学術文庫...
アジア史(書籍)

「スキタイと匈奴 遊牧の文明 (興亡の世界史)」林 俊雄 著

登場以来、ユーラシア大陸を縦横無尽に駆け巡り、世界史をリードし続けた騎馬遊牧民の成立の過程と初期の騎馬遊牧民として知られるスキタイ・匈奴の文化、社会、歴史について近年の研究成果をもとに描いた非常に丁寧な内容の一冊。 「騎馬遊牧民」は文字通...
ヨーロッパ史(書籍)

「ジプシー 歴史・社会・文化」水谷 驍 著

ジプシーは曖昧なイメージだけが先走り、その歴史や社会のありようはほとんど明らかになっていない民族集団である。僕自身、ジプシーについては漠然とした理解しかなかったのだが、この本はジプシーに対する偏ったイメージが作られてきた研究史、その多様なジ...
ヨーロッパ史(書籍)

「アーサー王伝説」アンヌ・ベルトゥロ 著

アーサー王と円卓の騎士たちは実在したのか?当然のことながら、歴史的にそれを辿るのは史料があまりにも少なすぎて、不可能である。おそらくはモデルとなる複数の人物がいて、それらの逸話がいつしかアーサー王伝説として語られるようになった、と考えられて...
アジア史(書籍)

「アレクサンドロスの征服と神話 (興亡の世界史)」森谷 公俊 著

古今東西、歴史にその名を残す君主、英雄、軍人たちがこぞって憧れ、未だに繰り返し映画や小説やアニメなどあらゆる創作で繰り返し語られる古代マケドニアの征服者アレクサンドロス3世(大王)について、語られた様々な英雄神話、その生涯、彼の帝国の統治構...
日本近現代史(書籍)

「桂太郎 ー 外に帝国主義、内に立憲主義」千葉 功 著

前回の記事『「明治国家の終焉 1900年体制の崩壊」坂野 潤治 著』で桂園時代と大正政変を巡る政局について簡単に紹介したが、その主人公と言うべき人物が桂太郎である。 現代人の間の、明治時代の政治家の知名度でいうと、桂太郎はその事跡に反して...
日本近現代史(書籍)

「明治国家の終焉 1900年体制の崩壊」坂野 潤治 著

日露戦争直後、第一次西園寺内閣が成立した明治三十九年(1906)一月から、第一次世界大戦参戦後の第二次大隈内閣による総選挙が行われた大正四年(1915)三月までの間の、桂園時代の誕生から大正政変による体制の崩壊とその余波に関する日本の政局を...
ヨーロッパ史(書籍)

「市民結社と民主主義 1750‐1914」シュテファン=ルートヴィヒ・ホフマン著

アレクシ・ド・トクヴィルはアメリカの民主主義の特徴が市民の自発的な活動による様々なアソシエーションの存在に支えられていると指摘し、それに対して特にフランスを始めとする欧州の権威主義的体制下ではアメリカ(とイギリス)のような市民の結社活動が存...
ヨーロッパ史(書籍)

「仏独共同通史 第一次世界大戦(上)(下)」

出版は2008年(邦訳は2012年)と戦争終結から90年近く経ってようやく描かれた、はじめてのフランス・ドイツ両国研究者による共同の第一次世界大戦史。 第一次・第二次、一九世紀に遡れば普仏戦争など常に対立してきた両国の研究者が第一次世...
日本近現代史(書籍)

「カレーライスの誕生」小菅 桂子 著

キレンジャーから水樹奈々様まで著名人だけでなくカレーを愛する人は数知れず、日本の食文化に広く浸透しているカレーライスが日本に根付いてきた歴史をコンパクトにまとめた一冊。 カレーライスは本場インドからイギリス経由で明治時代になって日...
アジア史(書籍)

「琉球の時代: 大いなる歴史像を求めて」高良 倉吉 著

琉球史については詳しくなかったので、少し入門的な本が無いかなと思い読んでみたのがこの本。2012年ちくま学芸文庫から出版だが底本は1980年発行で、現代の琉球史研究の第一人者である著者の初期の著作になるようだ。特に史料が見られ始める十四世紀...
ヨーロッパ史(書籍)

「ヒトラーを支持したドイツ国民」ロバート・ジェラテリー 著

アドルフ・ヒトラー率いるナチス第三帝国はその十二年の統治の間、ドイツ国民の支持を広範囲に得て味方につけ、その維持に力を注いだ。ほとんどの場合、ドイツ国民は自らの意思で、積極的に、戦局が悪化して体制崩壊寸前となってもなお独裁体制を支持し続けた...
日本史(書籍)

「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著

中世・近世を中心に日本において人身売買がいかにして無くならず生き残り続けたか、を通史として浮き彫りにした文字通り「身売り」の日本史の概説本。 古代から中世にかけて、人はものとして売り買いの対象だった。鎌倉・室町時代を通して時の政権も例...
日本中世史(書籍)

「ザビエルの同伴者アンジロー―戦国時代の国際人」岸野 久 著

天文十八年(1549)、イエズス会宣教師フランシスコ・ザビエル一行が鹿児島に上陸、キリスト教が日本に伝来した。有名な歴史上の出来事だが、ザビエルを日本に導き、通訳として活躍した日本人アンジローまたはヤジロー(二説あり未だ定まっていない)と呼...
日本近世史(書籍)

「武士に『もの言う』百姓たち: 裁判でよむ江戸時代」渡辺 尚志 著

江戸時代の百姓は時に一揆などで爆発することはあっても武士に虐げられ、高率の年貢や身分制度の中でじっと耐え忍んでいた・・・のでは決してなく、むしろ自身の利益を守るために武士たち臆することなく自身の意見を言い、次々と訴訟を起こす、もの言う百姓た...
日本中世史(書籍)

「軍需物資から見た戦国合戦」盛本 昌広 著

戦国時代に限らず戦争について多くの人が興味を惹かれがちなのは戦国武将の戦術指揮や、勇猛な武士たちの活躍などだが、現在も今も戦争には人員や兵糧だけでなく大量の物資が必要となる。その戦国時代の合戦で必要とされた軍需物資特に竹と木材の調達や用途に...
日本近世史(書籍)

「刀狩り―武器を封印した民衆」藤木 久志 著

豊臣秀吉の刀狩令、明治政府の廃刀令、第二次大戦後の占領軍による武装解除の三つの「刀狩り」を通して民衆が武器を封印していく過程を描き出す、日本中世民衆史の大家による「刀狩り」概論。とはいえ、論考のほとんどは秀吉の刀狩令と江戸時代の民衆の武装が...
世界史(書籍)

「国際連盟 世界平和への夢と挫折(中公新書)」篠原 初枝 著

国際連盟の誕生から消滅までを史料を丁寧に追っていくことで、その功績と限界とを描いた国際連盟研究概観という趣きの地道で丁寧な良い本。時系列的な事件の積み重ねと、その中で活躍した様々な人々の様子とのバランスが絶妙で面白い。 国際連盟成立前の時...
アメリカ史(書籍)

「働かない―『怠けもの』と呼ばれた人たち」トム・ルッツ 著

一八世紀に姿を現してから、現代社会の規範として内面化されていく勤勉な労働倫理と、その裏表として登場してくる怠惰なスラッカー(怠け者)主義の歴史を、各時代を代表するスラッカーたちの思想を紹介していくことで米国オルタナティブ労働倫理史を浮き彫り...
日本近現代史(書籍)

「登山の誕生―人はなぜ山に登るようになったのか」小泉 武栄 著

行楽としての登山の歴史は実は新しい。欧州でも十八世紀末から十九世紀にかけて、日本では十九世紀末から二十世紀初頭のことで、その登山の誕生の歴史を自然地理学者である著者がまとめたのがこの本だ。登山にまつわる様々な歴史上のエピソードが豊富でとても...
日本中世史(書籍)

「喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)」清水 克行 著

現代社会でも法制度としては無いが慣習として少なからずみられる『ケンカした両者に対して、その正否を論ぜず同等の処罰を与える』(P4)法、すなわち「喧嘩両成敗法」の成立の歴史を、十五世紀の室町時代から戦国時代にかけての社会に焦点を当てて描いた、...
日本近現代史(書籍)

「『格差』の戦後史–階級社会 日本の履歴書」橋本 健二 著

終戦直後から現代までの日本の「格差」について階級構造分析を通してその歴史的変遷を振り返る一冊。読んだのは実は2年ぐらい前で、記事にするまでに随分間が空いてしまった。 「階級」という言葉は政治イデオロギー的な使われ方で特定のバイアスがかかっ...
日本古代史(書籍)

「アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る」溝口 睦子 著

日本神話の最高神にして皇祖神とされている神といえばアマテラスというのが現代では一致する認識だが、原初からアマテラスがその地位にあったわけではない。アマテラスが皇祖神=国家神とされたのは七世紀で、それ以前はタカミムスヒが最高神であった。その転...
ヨーロッパ史(書籍)

「自由と社会的抑圧」シモーヌ・ヴェイユ 著

フランスの女性思想家シモーヌ・ヴェイユ(1909~43)が1934年、若干25歳で書いた論集。当時輝かしい未来が約束されているかに見えたマルクス主義の限界をずばりと指摘し、返す刀で台頭しつつあったファシズムを鋭く批判して、あるべき自由な社会...
アジア史(書籍)

「ブータン――「幸福な国」の不都合な真実」根本 かおる 著

「国民総幸福量(Gross National Happiness, GNH)」の最大化を国是として、伝統文化を維持しつつ国王のトップダウンによる急速な民主化を推し進め、「幸福の国」として世界から認識される小国「ブータン」だが、実は国内の政治...
ヨーロッパ史(書籍)

「北の十字軍 「ヨーロッパ」の北方拡大」山内 進 著

十字軍は聖地エルサレム奪還を目指した東方遠征軍だけではない。南フランスの異端カタリ派・ワリドー派に対するアルビジョア十字軍、イベリア半島奪還戦争であるレコンキスタ運動、そして本書で描かれるプロイセン・ロシア・バルト海沿岸地域の異教徒に対する...
ヨーロッパ史(書籍)

「アッシジのフランチェスコ ひとりの人間の生涯」

ローマ教皇ベネディクトゥス16世が退位し、コンクラーベを経て新教皇フランシスコが選出された。その名の由来はフランシスコ会の創設者アッシジの聖フランチェスコで、意外なことに教皇の名に採用されたのは初めてだという。アッシジの聖フランシスコへの注...
日本史(書籍)

「図説 日本建築の歴史 (ふくろうの本/日本の文化)」玉井 哲雄 著

神社・仏閣・城郭・古民家から古墳や遺跡まで様々な名所旧跡を歩いて回るときに、古い建築様式・形式とその歴史の簡単な知識があると無いとでは楽しめ方に天と地の差があるのは言を俟たないと思うが、その日本建築史を大まかに把握する入門として、とても分か...
ヨーロッパ史(書籍)

「<学級>の歴史学」柳 治男 著

学校教育を巡るいじめ、不登校、体罰、学級崩壊などの諸問題についての議論の中で、ごくごく当たり前に自明視されている存在「学級」とはそもそも何であるのか、ということを、主にその成立の歴史を紐解くことで、「学級」が近代イギリスに誕生し、日本で独自...
世界史(書籍)

「アイスクリームの歴史物語 (お菓子の図書館)」ローラ・ワイス 著

みんな大好きアイスクリームの一七世紀欧州から現代までの歴史の流れを簡単に押さえた一冊。意外とアイスクリームの歴史は古い、ということを知らなかったので楽しく、興味深く読んだ。 古代から氷は食糧保存に大いに活用されていたが、やがて中国の唐...
日本古代史(書籍)

「殴り合う貴族たち」繁田 信一 著

様々な王朝文学のイメージから平安時代の貴族というと暴力とは縁のない人々のように思われるが、実は、貴族たちの間では殴る蹴るの暴力がごくごく日常的に行われ、いつどこでだれが殴りあいを始めてもおかしくない殺伐とした時代だった、ということを当時の日...
世界史(書籍)

「スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)」多木 浩二 著

近代スポーツは何故英国で生まれ、これほど拡大し、また変容してきたのか。その近代スポーツ発展の過程をノルベルト・エリアスの「文明化の過程」論やミシェル・フーコーの「従順な身体」の分析を通して、誕生から近代オリンピックとアメリカナイゼーションに...
日本近世史(書籍)

「殉死の構造」山本 博文 著

江戸時代初期、武士たちの間で主君の死に殉じて家臣が切腹して果てる「追腹」とよばれる自殺行為が多く見られるようになった。一般的に殉死は忠義の心から出るものと認識されているが、著者は史料を丁寧に読み解いていくことで「追腹」が忠誠心によるものでは...
民俗学(書籍)

「東京の地霊(ゲニウス・ロキ)」鈴木 博之 著

僕が東京の様々な場所を熱心に歩いて回るようになったのは上京してから二年ほど経った頃だろうか。仕事は激しく忙しくて、かつ会社以外の社会的つながりは全くないという状況で、激務と喧噪からのかりそめの逃避に職場近くの神社や公園を探すようになり、すぐ...
アジア史(書籍)

「イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)」小杉 泰 著

仏教、キリスト教とともに世界三大宗教の一つに数えられるイスラム教だが、実際は「イスラーム」と教を付けないのが正しい。聖典クルアーンには「まことに神の御許の教えはイスラームである」(小杉P10「イムラーン家章」第一九節)、井筒俊彦訳岩波文庫「...
民俗学(書籍)

「境界の発生」赤坂 憲雄 著

共同体があるところ境界が発生する。共同体は内と外を区別することによって成立するからだ。その共同体の周縁には内なる世界と外の世界とをわける中間地帯となる領域が広がる。いくつもの点となる領域が集合することでその境界はやがて線へと変化する。線はか...
日本中世史(書籍)

「贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ」桜井 英治 著

日本社会に贈与の慣行が深く根付き、一気に浸透したのが中世であるという。その日本の贈与はどのようなものだったのか。市場経済の拡大と結びついた贈与経済の姿を、史料を丁寧に読み込むことで明らかにしていく一冊。 マルセル・モースと彼の「贈与論...
日本中世史(書籍)

「武士から王へ―お上の物語」本郷 和人 著

武士が台頭する一二世紀から江戸幕府が成立する一六世紀までの中世約五〇〇年の歴史を武士が王権を確立していく過程を通じて描く力作。とても面白い。 著者によると戦後の日本中世史研究は戦前の『天皇に忠貞であったか否かを絶対の尺度とする信仰にも...
ヨーロッパ史(書籍)

「フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史」ジャン・ボベロ著

フランスを代表するライシテ研究の第一人者による、フランス革命から二〇世紀初頭までのライシテが確立していく歴史を概説した一冊。現在のライシテが直面する変化についても若干の言及が加えられている。 『国教を立てることを禁じ、いっさいの既成宗...
日本近現代史(書籍)

「東京駅はこうして誕生した」林 章 著

その後の東京という都市のあり方を方向付けた東京駅誕生の過程を、鉄道技術の輸入から明治政府によって鉄道敷設が実行に移され、鉄道網が全国に張り巡らされることで東京駅が必然的に建てられることになり、それによって東京という都市が誕生し変貌し成長して...
アメリカ史(書籍)

「多文化主義とは何か」アンドレア・センプリーニ著

フランスの社会学者によるアメリカの多文化主義の歴史と議論の全体像を描いた一冊。 近代以降の多文化主義が生み出されるまでの大きな歴史の流れについては、同書の翻訳者でもある三浦信孝氏の解説に過不足なくまとめられているので、少し長いが引用す...
日本近現代史(書籍)

「八月十五日の神話」佐藤 卓己 著

八月十五日は何故「終戦記念日」なのか。通常終戦は休戦協定の締結を指すため、太平洋戦争の終結は重光葵外相・梅津美治郎参謀総長がミズーリ号上で降伏文書に調印した一九四五年九月二日となり、これは米国の対日戦勝記念日を始めとして国際的な標準である。...
民俗学(書籍)

「夜這いの民俗学・夜這いの性愛論」赤松 啓介 著

著者赤松啓介(一九〇九~二〇〇〇)は一言で言うと反権力の人である。大阪中央郵便局に勤めていたころに大阪の被差別部落に興味をもち、大阪市の実態調査を行ううちに共産党や水平社の運動にのめり込んで特高警察に逮捕され、その後地元の兵庫県に戻り喜田貞...
アジア史(書籍)

「オスマン帝国 イスラム世界の『柔らかい専制』」鈴木 董 著

アラブ世界の大部分を支配し、多宗教、多文化、多民族が共存した寛容の帝国にして西欧キリスト教世界に恐れられたオスマン帝国、その全盛期を現出した諸制度・社会構造を「柔らかい専制」として概説したオスマン史の入門の入門として最適な一冊。新書としては...
ヨーロッパ史(書籍)

「世界史をつくった海賊」竹田 いさみ 著

パイレーツ、バッカニア、ヴァイキング、コルセア、海乞食、倭寇、など様々な呼び名で呼ばれて歴史上に名を知られる様々な海賊たち、特に英国の黎明期に活躍した海賊たちに焦点を当てて政府と海賊とがともに協力して海賊国家を作り上げ、後の大英帝国の繁栄...
ヨーロッパ史(書籍)

「傭兵の二千年史」菊池 良生 著

傭兵の歴史は古い。紀元前五世紀、「ソクラテスの思い出」「アナバシス」などの著書で知られるソクラテス門下の一人クセノフォンはギリシア人傭兵としてペルシア王やスパルタの下で従軍し、それを迎え撃つアテネもまたクレタ諸島などから傭兵をかき集め、古代...
世界史(書籍)

「グローバリゼーション-現代はいかなる時代なのか」正村 俊之 著

二〇世紀後半からあらゆる分野で国境を超えた相互依存が進んでいる。この全地球規模の現象は「グローバリゼーション」と呼ばれるが、その意味するところの曖昧さゆえに様々な使われ方をしてきている。この本では、その「グローバリゼーション」という現象につ...
ヨーロッパ史(書籍)

「宗教改革の真実 カトリックとプロテスタントの社会史」永田 諒一著

本書は宗教改革の時代のドイツの民衆の様子を社会史の視点から描いた一冊である。 著者の説明を借りると、伝統的な歴史学が『政治史の優位と事件史的な歴史叙述を特色』(P12)として、『社会の「急激に変化する過程」に注目』(P12)してきたの...
日本中世史(書籍)

「葬式仏教の誕生-中世の仏教革命」松尾 剛次著

中国や韓国の仏教は日本ほど葬送にかかわることなく、葬儀は儒教や道教、シャーマニズム、あるいは無宗教的な手法で行われるのが常であるという。日本の仏教が葬式仏教として葬送儀礼に深く関与するようになったのはなぜか、本書ではその仏教革命ともいえる...
世界史(書籍)

「世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ」辻隆太朗著

本書は、そのタイトル通り、ユダヤ陰謀論、フリーメーソン、イルミナティなどの著名なものから、9.11陰謀論や地震兵器、あるいは「田中上奏文」、オウム真理教、米国の宗教右派など多種多様な陰謀論関連のトピックを網羅しつつ、陰謀論がなぜ人々に受け入...
日本近現代史(書籍)

「復興計画 – 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで」越澤明 著

そのタイトル通り、近現代に日本を襲った地震、津波、洪水、大火、戦災など大小様々な災害から、日本の都市がいかにして復興を遂げてきたかを都市計画の観点から詳述した一冊である。 「復興計画 - 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで (中...
アメリカ史(書籍)

「見えないアメリカ」渡辺将人 著

よく「日本」について語られる記事を様々なメディアやブログで見かけるが、それらの多くは読んだときに微妙な異和感を感じることが多い。これは自分にも跳ね返ってくることなので、どちらかというと反省なのだが、ごく一部の現象や、事例を敢えて「日本」とい...
民俗学(書籍)

「アイヌ神謡集」知里幸恵編訳

アイヌ文学の中にユーカラ(神謡)と呼ばれる神々の自叙の形式を取る短編の詩曲がある。中でもカムイユーカラは特にアニミズム色が強く、神々と言っても例えばキツネ、フクロウ、カエル、オオカミあるいはウサギなど動物神のかたちを取り、神々が一人称で謡う...
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