歴史記事

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ユーラシア史

豊臣軍撤退後の朝鮮半島における明国軍駐留問題

1598年十一月、朝鮮半島から日本軍は完全に撤退し、豊臣秀吉の朝鮮出兵(「文禄・慶長の役(壬辰倭乱・丁酉倭乱)」)は完全に失敗に終わった。日本軍撤退後の戦後処理で朝鮮半島において懸案となったのが明国軍駐留問題であった。以下、中野等著「文禄・...
日本近世史

日本で初めて反射望遠鏡を作った鉄砲鍛冶「国友一貫斎」

第一章 江戸の貨幣経済と知識人の台頭、蘭学の登場 十七世紀、戦国乱世の終結による政治的安定は人口増大と経済成長を促した。貨幣経済・商品経済の浸透は競争を喚起し、農民層の分解と格差の拡大、新たな都市富裕層の登場を促す。『俗姓筋目にもかま...
ユーラシア史

十六~十七世紀、海を渡った日本人~倭寇、奴隷、傭兵、朱印船、キリシタン

十六世紀から十七世紀、戦国時代中期から江戸時代初期にかけて、多くの日本人が海を渡り、東南アジアから東シナ海にかけて様々な活動を行った。海を渡った日本人はどのような人々だったか、大きく(1)倭寇(2)武士・雑兵(傭兵・奴隷)(3) 商人・労働...
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日本近現代史

近代日本、海水浴誕生の歴史

今や夏の行楽の代表となった海水浴だが、日本で海水浴が始まったのは明治時代のことだ。 明治以前の海水浴 海水浴が始まるまで、日本では海は行楽の対象ではなかった。唯一の海での遊びとしては「潮干狩り」があったが、基本的に海は漁民たちの生活...
ヨーロッパ史

「アンネの日記」真贋論争~偽書説が科学的検証を経て否定されるまで

「アンネの日記」が何者かの手によって都内図書館で多数破られているというニュースが次々と報じられている(2014年2月)。サイモン・ヴィーゼンタール・センターによる批判を皮切りに海外メディアでも報じられて、国際問題の様相すら呈しつつある。 ...
民俗学

なぜお相撲さんといえば「どすこい」なのか?

お相撲さんといえば「どすこい」、「どすこい」といえばお相撲さんというぐらい、イメージが定着した言葉だが、実際には力士は「どすこい」などとは普通言わない。では「どすこい」とは何か?意味は?語源は?というと多くの人は説明に困るのではないか。広辞...
ヨーロッパ史

シェーネラーとルエーガー~ヒトラーが範とした二人の反ユダヤ主義者

アドルフ・ヒトラーは「わが闘争」で強く影響を受けた人物として二人の政治家の名を挙げている。ゲオルク・フォン・シェーネラー(1842 – 1921)とカール・ルエーガー(1844 – 1910)はともに十九世紀末のオーストリアの政治家で、反ユ...
日本近現代史

大日本帝国憲法審議での伊藤博文と森有礼の「臣民の権利義務」論争

大日本帝国憲法を巡る議論は新設の枢密院で明治二十一年四月から翌二十二年一月まで集中審議された。枢密院会議議事録第一巻(P217-219)から、伊藤博文と森有礼の論戦を引用してみる。憲法史で有名な伊藤-森論争である。 憲法草案第二章「臣民権...
日本近世史

江戸時代農村の遊び日・休日

最近、江戸時代農村の祭礼や休日について興味があって、色々調べているときに図書館で「増補 村の遊び日―自治の源流を探る (人間選書)」という本をみかけ読んでみると面白かったので紹介。元々は1986年に発表された論考で、91年の補論とあわせて2...
世界史

人口動態からみた古代ローマ帝国の社会

古代ローマ帝国を人口から眺めてみよう。あくまで数少ない文献史料と様々な考古学的調査に基づいての暫定的な推定値ではあるが、当時の人口動態とその人口動態を背景とした社会の様子が「古代ローマを知る事典」に概説されている。 まず首都ローマの人口は...
ヨーロッパ史

ジプシー/ロマ/ロマニ呼称問題の簡単な整理

歴史的にジプシーと呼ばれてきた人々の呼称を巡っては様々な議論がある。 承前:「「ジプシー 歴史・社会・文化」水谷 驍 著」で簡単な歴史的背景はまとめてあるので前提として参照いただけると。 1)「ジプシー」系 「ジプシー」は十五世紀にヨ...
日本近現代史

若き米国人女性宣教師マーガレット・バラが見た幕末日本

神奈川県の歴史について色々調べている過程で、図書館で幕末に日本を訪れた女性宣教師の手紙をまとめた本を見掛け、読んでみたら結構面白かったので軽く紹介してみる。まぁ、20年以上前の本で絶版のようだし、amazon見てもランキング115万位でレビ...
アメリカ史

アメリカにおけるインディアン強制移住を巡る二つの歴史認識の対立

1830年代アメリカのインディアン強制移住についてジャクソニアン・デモクラシーと絡めて書こうと色々書籍を読んでいたけど、主要参考文献になりそうな鵜月 裕典 著「不実な父親・抗う子供たち―19世紀アメリカによる強制移住政策とインディアン」を読...
フランス史

「カラス事件」歴史を変えた18世紀フランスのある老人の冤罪死

カラス事件 十八世紀フランス、欧州諸国の刑事司法制度の近代化を推し進めるきっかけとなった冤罪事件がある。近世法制史に名高い「カラス事件」である。 1761年10月13日、フランス南西部ラングドック地方の主要都市トゥールーズの商業地域フィ...
ブリテン諸島史

アイルランドの海賊女王グレイス・オマリーの生涯

序章 女海賊とは何か 女海賊というとどうしても創作上のワイルドでセクシーな強いお姉さんとしてイメージされることが多い。 『伝統的に女性のものとされていない生活様式、つまり大胆で、移動的で、男性的で、海を放浪する生活を愛する女性たち。その...
日本近現代史

司法制度を形骸化させた刑事訴訟法の成立の歴史

刑事訴訟法の近代史 明治政府成立後、近代国家建設と不平等条約解消のため民法刑法典の制定が急務となり、明治六年(1873)、フランスから法学者ギュスターヴ・エミール・ボアソナードが招聘される。明治九年(1876)、改定律例によって江戸時代に...
日本近世史

何故、江戸時代の司法制度は「自白」に頼っていたのか?

承前:中世西欧編→何故、中世の司法制度は「自白」に頼っていたのか? 江戸時代の裁判制度について簡単にまとめ。 幕藩体制において三権分立は存在しなかったため、行政府であり立法府である幕府・大名が司法裁判権もまた行使していた。江戸幕府の裁判...
日本近世史

江戸時代の捨子たち~歴史・社会背景・捨子観の変化・幕府の政策など

1)古代・中世の捨子 捨子の歴史は古い。人類史においていつ捨子が始まったのか定かではないが、各地の神話や伝承にも捨子のエピソードが語られることから、おそらく有史以来、嬰児遺棄の習俗は行われていたと考えられている。エジプト王はイスラエル人に...
ヨーロッパ史

何故、中世の司法制度は「自白」に頼っていたのか?

『教会は、証拠物件よりも自白のほうを好み、このほうが上だと考えた。被告がもし頑強に否認しつづけるなら、審問官たちはさまざまな強制手段を用いることができた。未決拘留などもそのひとつである。制裁にはいくつかの段階があり、裁判官は適当と思われる様...
日本中世史

戦国時代の村の安全保障・外交交渉・戦時体制のまとめ

先日の記事『戦国時代の日常茶飯事「掠奪・奴隷狩り・人身売買」について』で掠奪や奴隷狩りに遭う戦国時代の百姓たちについて紹介したが、勿論、彼らはただされるがままであった訳では決してない。先日の記事と同じく藤木久志氏の一連の書籍から、中世の戦う...
日本中世史

戦国時代の日常茶飯事「掠奪・奴隷狩り・人身売買」について

藤木久志著「新版 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り」は武将や大名など支配者からではなく雑兵たちの立場から見た戦国時代の戦争の様子を描いた中世日本民衆史研究の代表的な本のひとつである。 誰もが知るキラ星のごとき戦国大名・武将たちが天下に...
日本近現代史

大正末期の無名の娼妓の手記と近代公娼制度について

はてな匿名ダイアリーで投稿されていた「大正末期のある女郎の実態」という記事について、印象的なお話であったので一読してすぐに紀田順一郎著「東京の下層社会」での娼妓森光子(有名女優の故森光子とは同姓同名の別人)のエピソードだとわかった。 ...
日本近現代史

太平洋戦争末期の日本本土侵攻計画「コロネット作戦」と「オリンピック作戦」

葉山・逗子・鎌倉など三浦半島から湘南に至る相模湾沿岸を歩いてみると、思いのほか戦時中の基地や砲台などの軍事施設跡が残っていることに気付く。その施設跡について歴史を調べてみれば、太平洋戦争末期、相模湾こそが日米双方で本土進攻計画の上陸・防衛の...
日本近現代史

幕末の金流出は何故ハイパーインフレを起こしたか?

安政五年(一八五八)に締結された日米修好通商条約の結果として、経済面で二つの現象が起きた。第一に日本から海外への大量の金流出、第二にハイパーインフレーションである。常識的に考えれば、国外への金流出は国内の貨幣流通量の減少をもたらすため、貨幣...
日本近現代史

幕末の人口統計「空白の四半世紀」に何故人口は増加に転じたのか?

前回の記事「歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚について」が好評だったので引き続き歴史人口学のネタを。 幕末から明治初期にかけて、人口統計資料が残っていない空白の四半世紀がある。 徳川吉宗によって1721年から6年間隔で行われるようになった...
日本近世史

歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚について

「昔は15、16で嫁入りしていた」 上記のような記事が話題になっているようなので、いくつかの歴史人口学の書籍から江戸時代の結婚と出生に関する定量データを簡単にまとめてみよう。 1)江戸時代の人口トレンド 江戸時代の人口調査を行うときに用いら...
ヨーロッパ史

ガリレオを擁護した囚われの魔術師トンマーゾ・カンパネッラ

「それでも地球は回っている」 地動説の撤回を異端審問裁判で求められたガリレオ・ガリレイが呟いたとされるこの言葉は、現在では創作であったというのが定説だが、大人から子供まで知らない者がないと言って良いほどに有名だ。しかし、そのガリレオの地動...
ヨーロッパ史

スペインの異端審問制度史

史上悪名高い異端審問制度だが、その制度が確立して苛烈を極めたのは一五世紀末から一七世紀初頭にかけてのスペインにおいてであった。何故スペインで異端審問が制度として整ったのか?その背景には中世スペイン特有の少数派排除の文化があった。 第一章 ...
ヨーロッパ史

「アナーニ事件」から「教会大分裂(大シスマ)」終結までの歴史

ローマ教皇ベネディクトゥス16世が退位するというニュースが報じられた。ローマ教皇の退位は一四一七年以来、およそ六〇〇年ぶりのことになる。その六百年前のローマ教皇の退位について、その歴史の流れを簡単にまとめておきたい。 1)アナーニ事件...
日本中世史

ザビエルはキリスト教の矛盾を論破されたのか説得したのか問題

ザビエルも困った「キリスト教」の矛盾を突く日本人 - るいネット 『ザビエルも困った「キリスト教」の矛盾を突く日本人』によるミスリードと嘘 - Togetter 『日本の各地でザビエルは布教するのですが、出会った日本人が彼に決まって...
日本古代史

平安時代の経済政策「貯蓄禁止令」

平安時代初期貞観九年(八六七)に出された「貯蓄禁止令」の太政官符が興味深かったので紹介しておく。『国立歴史民俗博物館編「歴博フォーラム お金の不思議 貨幣の歴史学」』より。 『貞観九年(八六七)五月十日 延暦一七年(七九八)九月二三日の格...
日本近世史

河村瑞賢~近世日本の大海運網を確立させた強欲商人

序章 近世の日本経済史を語る上で必ず画期となされるのが、東廻り海運、西廻り海運という航路の確立である。両航路が開かれたことで「天下の台所」大阪、大消費都市江戸の繁栄を支える大物流網が整備されることになり、江戸経済繁栄の礎となった。 ...
日本近世史

江戸時代の公害、環境破壊と人口停滞

江戸時代はよく、エコでサスティナブルな社会システムが整備されていたという例として語られるが、一方で急激な経済発展の代償として環境破壊と公害が顕在化しはじめた時代でもあった。 1)江戸時代の環境破壊 安土桃山時代から江戸時代前期にかけては全...
日本近世史

会津藩家老田中玄宰の改革

大河ドラマ「八重の桜」で登場する藩校「日新館」や「什の掟」、「追鳥狩」に長沼流軍学ほか、様々な役職・制度は遡ると一八世紀後半から一九世紀初頭の会津松平家五代容頌(かたのぶ)の下で辣腕を振るった家老田中玄宰(たなか・はるなか:一七四八~一八〇...
日本近世史

江戸幕府を震撼させた国書偽造スキャンダル「柳川一件」の顛末

江戸時代初頭、対朝鮮外交を担っていた対馬藩では李氏朝鮮と徳川政権との間の外交文書「国書」の偽造が慢性的に行われていた。それは幕府にも朝鮮王朝にも秘密裏に行われていたが、ある日、対馬藩家老柳川調興(やながわ・しげおき)によって暴露され、政権中...
ヨーロッパ史

ユーゴ紛争の殺戮者ジェリコ・ラジュナトヴィッチと民兵アルカン・タイガー

一九九一年から始まるユーゴスラヴィア紛争において、内戦を泥沼化させたのが民兵の存在であった。各勢力・民族を問わず大小様々な民兵組織が誕生したが、紛争下で起きた大多数の残虐行為のほとんどに彼ら民兵組織が関与していた。中でもボスニア内戦やコソヴ...
アメリカ史

愛と赦しの全体主義的宗教共同体アーミッシュについて

アーミッシュの誕生前史 アーミッシュの信仰は十六世紀、宗教改革時に登場した「アナバプテスト(再洗礼派)」に遡る。一五三三年、神聖ローマ帝国の都市ミュンスターの人々が幼児洗礼を拒否し成人した者たちが自らの意志で洗礼を授けあい聖書の記述を...
日本近世史

日本史上形骸化を繰り返す監察制度と将軍の隠密「御庭番」の活躍

興味深いことに、律令制から徳川政権に至る日本の歴代中央政権に共通する特徴の一つに、“監察制度の運用が上手くできない”という点がある。官吏や地方政権の不正を監視する制度を整えようとしても、ことごとく形骸化してしまうのだ。 1)中国・朝...
民俗学

葉山という地名の四つの由来についてまとめ

葉山という地名の由来は明らかになっていない。文和二年(一三五三)、森戸神社文書に平某が田地を葉山郷森戸神社に寄進という記録が葉山という地名の初出で、その地名の由来として四つの説があるという。 以下葉山郷土史研究会編著「郷土誌葉山第八...
ヨーロッパ史

ユーゴスラヴィア戦争前史~緩やかな連邦制は如何にして瓦解したか

一九八〇年五月四日、ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国終身大統領チトーが死去した。前年の自主管理社会主義思想の理論的支柱エドゥアルド・カルデリの死に続く最高指導者の死は絶妙なバランスの上にあったユーゴスラヴィアを一気に混乱と解体へと転落さ...
民俗学

火と穢(ケガレ)

古来より、日本では火事は宗教的犯罪の結果とみなされてきた。なんらかの罪がケガレを生み、ケガレが火災を生むという因果関係が信じられており、火はそのケガレを浄化するものと見なされていたが、一方で、火災を起こした当事者は放火であれば重大な罪を犯...
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