スコットランド北部で先住民ピクト人の約1200年前の精巧な装飾の立石が発見

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発見されたピクト系の立石

発見されたピクト系の立石
© North of Scotland Archaeological Society

スコットランド・ハイランド地方(ハイランド・カウンシル・エリア)北部イースター・ロス(英語”Easter Ross”,スコットランド・ゲール語” Ros an Ear”)の町ディングウォール(英語”Dingwall”,スコットランド・ゲール語” Inbhir Pheofharain”)で、約1200年前とみられるピクト人の伝統的な文様が彫られた立石が発見された。

ピクト人はスコットランドの先住民で、精強さで知られ、ローマ帝国軍の侵攻を繰り返し退けた。有名な「ハドリアヌスの長城」や「アントニヌスの長城」は彼らに備えて造られたものである。三世紀にアイルランドから侵攻してきたスコット人と争い、九世紀、両民族の融合によってアルバ王国(スコットランド王国)が成立した。

発見された立石は高さ1.5メートルで、神話上の動物・牛・剣と盾を持つ動物の頭を持つ戦士、二重円板とZ形の杖のシンボルなどが描かれており、発見時は初期キリスト教教会の遺跡で墓標として使われていた。元々2.4メートルほどの大きさがあったと考えられるが経年劣化で破壊され、1790年代以降墓標として再利用されていた。

ピクト人はクロス・スラブ” cross-slabs”と呼ばれる複雑に装飾された立石を築き、現在完全なものは約50点が残っているが、今回発見された立石もピクト系クロス・スラブの特徴を備えており、これまで発見されたものの中でも最古のものと見られている。これまでイースター・ロスで発見されたものよりも、スコットランド中部パースシャー”Perthshire”で発見されたピクト人の立石と共通点が多いという。

最初に発見したスコットランド北部考古学協会(” North of Scotland Archaeological Society(NOSAS)”)の考古学者アン・マッキンズ”Anne MacInnes”氏は「彫刻を見つけたとき私は草木を片付けていた。私は自分が見ているものを本当に信じられなかった」という。ハイランド・カウンシルの考古学者カースティ・キャメロン” Kirsty Cameron”氏は「これは一生に一度の発見であり、小さな遺物プロジェクトとして始まったものは、この重要な石だけでなく、遺跡自体が誰もが予想していたよりもずっと古いものと考えなければならないことを明らかにした」と語った。

すでに発見場所から取り除かれ、今後博物館など適切な場所で一般公開されることを目的として保存作業が進められる。NOSASはFacebookの投稿で次は保全プロセスのための資金を調達すると述べている。

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NOSASさんの投稿 2019年8月23日金曜日